2013年9月25日水曜日

ビッグデータ部門が取り組む5つの役割

 多くの企業は、どうしたらデータを価値あるものに変えることができるのか頭を抱えていることであろう。だとしたら、データについての議論はあっても、そこに介在する「人」にまで議論は及んでいない、とは考えられないだろうか。
人に焦点を当てて考える場合、データサイエンティストと呼ばれる人材を確保するのはもちろんのこと、そこでは、本当に必要なデータ利用に関する人材の役割を特定し、「顧客サービスを第一とする考え方」をデータを扱う人材が理解すること、に集約される。
正しいチームビルディング
 ビッグデータ要員確保は重要な問題となるのは確実だ。マッキンゼーのレポートによると、アメリカでは2018年に140,000190,000人の分析スキルがある人材が不足するであろうと予測している。しかし、実際は数学や統計学に長けた人材確保よりも、ビッグデータへの設備投資に注力している企業が数多く見られる。
 手遅れになる前にビッグデータを扱う人材を確保する事が望ましいが、その企業の業務内容や業界固有の特性に合ったスキルを保有する人材がそれぞれ必要になる為、安易にデータサイエンティストばかりを獲得するのは得策ではない。よって、ビッグデータを扱う上で必要な要素をデータを扱う業界に共通する「役割」として挙げた上で、自社に必要な要員を確保すべきではないだろうか。 下記に5つの重要な役割を挙げてみた。


ビッグデータ分析における5つの重要な役割
1
データクリーニング
2
データマイニング
3
ソリューション設計者
4
データサイエンティスト
5
販促エキスパート

1. データクリーニング
 システムに取り込まれるデータは、全体のデータサイクルに対して正確でクリーンなものかどうかを見極めることが重要である。
 例えば、時系列の値が同じ形式の値かどうか、1年という時間のサイクルは365日を超えていないか、260日の営業日を超えていないか、8765時間を超えていないかどうか、といった単位の管理も含み、すべてがインラインで統一される必要がある。また、以前利用していたデータ項目名が新しい項目名と正しく適合しているかどうかも重要であり、こうした管理を怠ると、過去のバックデータが上書きされたり、別項目として単一にデータが蓄積されることで、扱いが困難なデータ、予期した結果を出すことができない状況に陥るであろう。こうしたデータクリーニングによるQCは、分析の基礎として初歩的なキーポイントとなる。

2. データマイニング
 データの山から、必要なデータのみを容易に取り出す事が出来るようにすることが重要だ。データが大量に存在していても意味のあるデータを取り出すことが困難、時間が掛かるようでは、迅速に分析に供する事が出来ない。
 例えば、店頭POSによるお勘定支払時のキャッシュレジスターが良い例となる。本来の基本的な用途は、日々の売り上げを管理し、帳簿上の会計を把握するものではあるが、売上予測・バンドル(併売)・レコメンデーションといった用途に用いるには、必要なデータを必要な分だけ容易に取り出すことができなければ、大切な顧客が次に何を必要とするのか、何をお勧めすれば良いのか、全く分からなくなるであろう。

3. ソリューション設計者
 また、取り出したデータに対して仕込みを行う事が重要である。データを組み合わせ、より効果的な見方から変換し、実際の業界・業務に応じたデータを整合させる事は、分析をする上で必要不可欠なソリューションだ。
 時系列のデータを例にすると、ある分析官は秒・分単位のデータが必要であるが、他の分析官は、曜日別や休日・祝祭日別のデータが必要となる。オリジナルのデータから、構造的にデータを変換する事、整える事を専門的に実施する事で、データを更新するタイミングを計る事が出来るようになるし、データ分析も容易になるためだ。

4. データサイエンティスト
 統計的手法を駆使した独自モデルを創造し、データへと適用する事で価値のある重要なデータとなる。
 例えば、顧客の行動を予測するモデルを組み立てること、適正価格の呈示や、顧客のセグメント化によって、誰にどういったものを訴求すべきかを見出すようにする事で、売上向上や効率化がもたらされる事になる。一度作成した統計モデルは、定期的に新しいデータに基づいて更新する事で 、タイミングを図ったり、変化する状況に適応する必要がある。

5. 販促エキスパート
 統計モデルを使って、実際の売り上げなどへ貢献させるべく、マーケティングのキャンペーンを実行して結果を導き出すことが重要である。
 データのシステム全般を十分理解している人物が、こうしたマーケティングキャンペーンを実施する事によって、どのチャネルにどういったメッセージを届ければ良いのかモデルから優先順位を付けて実行することで売上向上へ貢献する事になる。
 例えば、過去のバックデータから得られた知見として「初めてEメールを出してから48時間以内にダイレクトメールを送付し、フォローアップを行えば商品の購入率が高まる」といった事が判明した場合、これを追求し、トライアル&エラーにより検証する事で、更に効果的なキャンペーンを実施する事が可能となる。


 データを自動的に構造化する端末や統計モデルを用いてビッグデータを扱うにあたって、特定の役割に、特定の知識に秀でた人材を適合させることで、より効率的な組織的運用が可能になるだけでなく、真の顧客課題を解決できる組織へと成長する事が出来るものと考えられる。

データに基づいたクライアントサービス文化を広めること
 しばしば社内では、データ部門で構築した統計モデルやマーケティングデータを利用することに、その重要な価値を感じていない場合がある。ビッグデータや分析を担う部門は、そのデータや構築した統計モデルの価値を喧伝し、データを利用する事でメリットが得られる事を強調する必要がある。また、この分析は誰のビジネスに役立っているのか、成功させるためにどのような効果が上がるのかを常に自問する必要があるであろう。


By秋山尊謙

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