2013年6月21日金曜日

ブリック・アンド・モルタルがネットショップに対抗する方法

 変化するには根気の要る作業が必要になる。何か大きな変化を受け入れる場合には、そう望めば何とかなるということ、神頼み、上手くいかなかったら最後は、どうにか対処すべく、問題に正面から取り組んでみる、という行動をとるのが普通の形ではないであろうか。
 ブリック・アンド・モルタルと呼ばれる従来からの店舗販売を行うお店は、ネットショップからの価格攻勢に対して、未だに動きが遅く、問題に対処できていない。
 店舗を構えないネットショップは、店舗を構えず、流通コストをカットしている分、低価格で販売できる。それに消費者は数クリックだけでいつでもどこでも手軽に買うことができる。

 店舗を構えるブリック・アンド・モルタルは、対抗策として「我々はより良いサービスをお客様に提供致します」と言った、あいまいなフレーズで、ネットショップの低価格攻勢から消費者の視線をそらす努力をして、何とかなると考えているようである。または、神頼みといった状況ではないだろうか。
 こうした状況から、消費者の行動は、実店舗で商品を陳列棚で確認してから携帯電話のアプリで同じ商品を検索し、価格の最も安いところで購入するという、店舗の「ショールーム化現象」が起きてくるであろう。ネットショップでは、しばしば送料無料であり、消費税分の割引キャンペーンも行われているため、購入するのはネットで、ということになるのは当然の流れだ。

 こうした状況を打開するためには、ネットショップとの違いを明確に打ち出した実店舗の営業施策を大きく変える必要がある。

ブランドの強化、差別化、高級化路線
非常に素晴らしい戦略で正統ではあるものの、従来の店舗施策と大きく異なるため実行するには困難が伴うであろう。

高級化路線ではないが差別性を取り込む戦略
 ユニークな商品を取り扱うことで、少しでも差別性を出すことで低価格競争とは違い、価値を提供しているというスタンスを示すこと。

高級路線でもなく、差別性もなく、低価格競争で正面戦争をする戦略
 ショールーム化現象とは言われているものの、メーカーに対して「実店舗での商品陳列特別割引」制度を導入してもらうことで、ネットショップと対抗できるようにする発言力を持つ戦略。

高級路線でもなく、差別性もなく、低価格競争でもなく、実店舗購入にアドバンテージを付加する戦略
 いくつかの商品は実店舗で簡単に購入できるものだ。例えば、ファッション・衣料品では、消費者は試着する、というアドバンテージが必ずある。また、10万円の商品と言う訳にはいかないが、元々価格の安い商材であれば、10%程度の差であれば、こうした商品を手に取る段階で、試してみる、体験させてみることをメリットとして、価格差が気にならないような、おもてなしを消費者に認識してもらうことだ。

 もちろん、それぞれ取り扱う商品の違い・特性から、一律一様に施策を適用するのではなく、ここで挙げた戦略の組み合わせにより、複合的に店舗施策を実施することが必要になる。

 実店舗であっても、ネットショップに対抗できる術はまだ残されており、存続していく余地はまだある。
消費者の大部分は、まだまだ実店舗で商品を購入しなければならない、と無意識に考えている習慣があり、そう望んでもいることも確かである。

ネットショップとリアル店舗では、どうしても価格差に目が行きやすい。ネットショップと対等に低価格戦争をするのは得策ではなく、価格だけにこだわった戦略を取り続けるのであれば、いずれ実店舗側が負けるのは目に見えている。
 よって「価値への投資と創造」が、実店舗の取るべき戦略であることには変わりがない。実店舗では、なぜ消費者がお店に来店してくれるのか「店舗に来店する理由」を深く考えてみる必要があり、一般的商品であっても差別性を付加するように努め、サービスや品質などが、目に見える、触れる、試せるといった物理的な効果を最大限に強調した施策をもって、消費者に商品を提供することが、店舗価値を最大化することにもつながってくるであろう。


By秋山尊謙

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