2011年12月4日日曜日

欧州最大のストリーミング音楽サービス「スポティファイ(SPOTIFY)」が急成長


 ヨーロッパで誕生した「Spotify」社の音楽サービスが、ついにアメリカでスタートした。アメリカでPCをネット接続していれば1,500万曲もの音楽を、6ケ月間無料で聴くことができるサービスだ。1ヶ月10時間、1曲に月5回までという制限はあるものの、紹介を受けてユーザー登録した月は、いずれも無制限で音楽を楽しむことができるサービスだ。音楽を聴き続けたいと思うユーザーは月5ドル払うか、 iTunesのように1曲ずつ購入する、といった画期的なシステムとなっている。著作権法が非常に厳しい日本発の音楽産業では、こうしたインターネット上での音楽サービスで世界を席巻することはまず無いであろうし、他のアジア各国の音楽産業に大きく溝を空けられて行く事になるであろう。

 Spotify社のマーケティング戦略は、アメリカという新規参入市場において、先ず最初に為すべきこと「顧客の獲得」が至上命題である。初めに取り込んだ顧客から、その家族、友人や知人にまで波及させることができるのであれば、コンバージョン可能な顧客は何倍にも膨れ上がることになる。この点ではSpotify社は成功したといっても良い。
 ヨーロッパでは既に1,000万人以上ものユーザーを確保しているが、新しい市場であるアメリカではどうすべきか。Spotify社は、アメリカでサービスを開始するにあったって、アメリカの一部ユーザーにベータ版のアクセス権を与え、サービスを利用してもらうことで、先ず初めに口コミを形成する戦略を実施した。これが奏功し「Kleiner DSTAccel」といったファンド各社から1億ドルもの資金を集めることに成功したのである。もちろんインフラを整備する資金はこれで整った。
アメリカでのネット音楽といえばPandora社によるインターネットラジオが有名であり、事実上独占市場であった。これ以外のGrooveshark社、Rdio社、MOG社なども存在しているが、いずれも影響力は小さい。ここに、ストリーミングによる音楽サービス事業のSpotify社が新規参入することで、Pandora社にとっても大きな頭痛の種となる。
 アップル社はiTunesという環境の中で音楽をダウンロードするといったクローズド・コンセプトである点で、こうしたストリーミングを主体とした音楽サービスにどのように対峙することになるのか、アップルの閉鎖的な環境内だけでサービスを展開するだけで良いのかどうか、話題のストリーミング音楽サービスといった真逆のオープン・コンセプトに防戦できるかどうかが音楽業界の正念場となる。



By秋山尊謙

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