2011年5月27日金曜日

国内のスマートフォン搭載OSシェア


 (Source; 小売店取材調査)

国内のスマートフォン搭載OSシェア
 アンドロイドがスマートフォン市場で十分な浸透を果たしている。1年前は全くそのような市場構造ではなかったものの、現在アンドロイドOSを搭載した国内スマートフォンは70%近くまでに達している。アンドロイドの登場と共に、約1年前のシンビアンのシェアが落ち込み、大きく逆転、10%程度の市場シェアへ下落した。今後はアップルOSとアンドロイドOSの一騎打ちという構図になる可能性が高まっており、他のOSの入り込む隙もない状況になっている。一方、携帯電話を含めた全体の国内マーケットを見ると、その他携帯電話メーカー固有のOSがまだ健在だ。しかしながら、スマートフォン比率が徐々に高まっている以上、こうした市場もいづれ駆逐されていくのは否めない状況である。

 (Source; 小売店取材調査)

IPS液晶対有機EL陣営、当面はIPS液晶が勝利する理由
国内スマートフォンへの採用されている液晶技術は、従来からの液晶技術(TFT LCD)が大部分を占めている。従来からの液晶技術といっても、従来と全く同じ液晶という訳ではなく、IPS液晶と呼ばれる最新技術に変化しており、これはiPhoneiPadなどに採用されている液晶技術だ。簡単に説明すると、通常の液晶よりも視野角が広く、通常の液晶であれば横や斜めからは暗くなったり見えなくなってしまうが、IPSではどの角度から見てもはっきりと画面が見える。対する有機ELは、201010月からサムスン製のスーパーOLEDと呼ばれるディスプレイがスマートフォンに使われており、タッチパネルを有機ディスプレイのカプセル内に組み込んだものが主流となっている。有機ELは、光源の必要がなく、ディスプレイの色素自体が発光しているものだ。よって、明るい・薄い・軽い・省電力といったメリットが強調される。
サムスン製の中小型ディスプレイの戦略として、有機EL事業への設備投資を強化する動きがある事から、当面はスーパーOLEDと呼ばれる有機ELをスマートフォンに搭載しようとする努力が続くであろう。
ディスプレイ製造メーカーや端末メーカーなど、供給側の努力は素晴らしいが、しかし実際に商品を購入する消費者の実情はどうであろうか。国内ではソーシャルメディアやマイクロブログなどが、新聞媒体の市場規模を既に凌駕している以上、こうしたメディアを利用するユーザーや、消費者の購入動態や市場特性を考慮しない戦略を行うと、失敗の憂き目を見る事となる。特に設備投資などスケールが大きくなる場合は、なおさら商品企画分析や消費者分析、口コミ分析などを、設備投資にまで遡ってリンクさせる戦略的なマーケティングが必要となる。(商品企画やコンセプト分析に関するマーケティング手法はイプソス・ノヴァクションのモデリングが有名)
時代が変化する中、最終消費者の感性や嗜好性を科学的に分析したデータから、自社の設備投資を行う家電・IT・携帯などの電子機器メーカーは、数えるほどしかいない。またCEOCFOなどは居るものの、同様のポジションであるCIO(Chief information Officer)は軽視され、CIOに相当するポストがないメーカーが多いのも残念である。
全社的に市場の研究と消費者マーケティング戦略を重視し、開発や設計にまで施策を浸透させ、且つ設備投資リスクを負っていないビジネスモデルを実践している耐久消費財メーカーがある。それが「アップル」だ。

国内携帯電話及びスマートフォンの台数シェアを下記に示す。
(Source; 小売店取材調査)
国内の携帯電話のうち、スマートフォンのデータを見た場合、日本の消費者は、有機ELが搭載されたスマートフォンを購入しない傾向を示している。10月のスタートアップ時に見せた有機EL搭載スマートフォンの成長率は、現在では大きく下落しており、毎月数千台売れていたものが、今では数十台程度しか売れていないという現状がある。
 また、以下の理由から、有機ELディスプレイが消費者に焦点を当てた早急な起死回生は困難が予想される。
                   米アップルの携帯電話やタブレット端末に採用されなければグローバル市場では主流派にはならない。よって、韓Samsung Mobile Display(SMD)社が、5.5世代のAMOLED生産ラインの立ち上げを2ヶ月ばかり前倒しして、Apple iPad3のスペックインに間に合わせるよう画策を始めている。ただし、アップルがサムスン製有機ELディスプレイを採用するかどうかは、IPS液晶ディスプレイ側との相対比較による供給量の違いや、複数購買というサプライチェーンの観点から、まだまだ大きな疑問が残る。
                   有機ELへの設備投資を促進させたとしても、実際に採用される機種は殆どがサムスンのリリースするモデルに限られ、自社製品への搭載を促進させるだけでは、消費者市場での大きな変化は起こりにくい。
                   国内の携帯電話・スマートフォン市場においては、シャープ・東芝・パナソニック・NECカシオ・などが乱立しており、それぞれのメーカーが、自社グループの推す最新ディスプレイの採用を促す。例えばシャープの携帯電話であれば、シャープ多気または亀山、東芝の携帯であれば東芝ディスプレイテクノロジー、パナソニックであれば日立ディスプレイ、NECやカシオであれば、NECカシオなどとなる。
                   薄さ・軽さ・省電力(エコ)といった製品特性を強調するとしても、売り込み先は、ノキア・モトローラ・RIM(ブラックベリー)htcなどとなり、品質よりも従来の液晶ディスプレイがコスト競争力を有している現状に直面することとなる。
こういう意味では、ソニーが有機ELの量産から撤退したのは得策であったのかもしれない。

【参考資料】メーカー毎の主要な液晶技術
IPSメーカー
(視野角が広い液晶)
VAメーカー
(通常の液晶)
AMOLEDメーカー
(有機EL)
パナソニック
日立
NECカシオ
ソニー
サムスン
LG Display
CMI
HannStar
など
ソニー
シャープ
富士通
サムスン
AUO
CMI
など
サムスン
LG Display
AUO
など
1) 主要な量産メーカー
2) 最終製品の場合、採用機種で変化するため一定ではない。
(Source; メーカー取材調査)

by秋山尊謙

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